ホーム こだわりの手すき昆布
大阪が誇るブランド「堺と昆布」のはじまり
江戸時代、北海道の昆布は北前船によって大坂へ運ばれ、上方食文化の礎となりました。昆布が庶民に広まっていく中、佃煮や酢昆布など様々な加工品が作られるようになりましたが、堺では刃物の技術があったため、特殊な包丁を使って削る、手すきのおぼろ昆布やとろろ昆布の加工が盛んになりました。最盛期の大正〜昭和初期には140〜150軒の昆布加工業者が軒を連ねていたそうです。
かつては全国最大規模の昆布手加工の町であった堺ですが、現在は堺昆布加工業協同組合の組合員が11社、なかでも手加工を行っている業者は弊社を含めわずか4社となっており、職人の数も10名程度(うち弊社5名)にまで減っています。
おぼろ昆布を削ったあとに残る芯の部分は、白板昆布としてバッテラ寿司の上にのせたり、お正月の鏡餅にお飾りとして使われます。おぼろ昆布はうどん店に卸され「こぶうどん」に、白板昆布は寿司店に卸され「バッテラ寿司」にと、この二つの大阪名物は堺の昆布手加工によって、陰ながら支え続けられてきたのです。
堺の職人が受け継ぐの伝統の技
堺の包丁と職人の技術。おぼろ昆布を削る包丁は特殊なもので、アキタと呼ばれる刃先を曲げる作業を行ってから削っていきます。そのため鋭い切れ味と昆布に吸い付くようなしなやかさを併せ持った包丁が必要なのです。
この難しい要求に応えることが出来たのは600年続く堺刃物の技術があったから。熟練の昆布職人はこの包丁を自分の手指のように操り、舌触りのよい極薄のおぼろ昆布を削り出していきます。
北海道直送 こだわりの天然素材と、秘伝の醸造酢
おいしさの秘密は、まず第一に良質の昆布を使用していること。うま味成分が多いとされている北海道道南地方、白口浜の真昆布のみを使用しています。
白口浜、黒口浜、本場折浜の3つに分類される真昆布。 中でも白口浜産真昆布は最上級品とされ、古来朝廷や幕府に奉納された為、別称「献上昆布」と称されてきました。 清澄なだしがとれ料理人も絶賛する極めつけのこの昆布を、郷田商店では、手すきのおぼろ・とろろに使用しています。
次に昆布を漬けるお酢です。何の変哲もない醸造酢ですが、うなぎのタレと同じで創業以来ずっと注ぎ足し注ぎ足し使用しています。毎日良質の昆布を漬けるので、昆布のうま味成分がお酢の中にたっぷり染み出し、最高の調味料となるのです。
上品な甘みを持ち、清澄なだしがとれる、大阪では最も取扱い量の多い真昆布。繊維質が柔らかく短時間で独特の濃いだしがとれる羅臼昆布。くせがなく上品で、香り高い澄んだだしがとれるため、懐石料理や吸い物の1番だしに重宝される利尻昆布。
柔らかく煮ることができるため、おでんや昆布巻き、野菜代わりにサラダとしても食べられます。